セーラー万年筆ロボット事業部

セーラーロボットとは

昔、弊社の製品である万年筆・ボールペン等のプラスチック部品の生産には、射出成形機1台に1人の作業員がつき、成形品を型外へ取り出す作業を24時間3交代で行っていました。1967年この取り出し作業の改善を目的に、射出成形品自動取出装置の開発に着手し、1969年試作機RX-0号機が完成しました。
翌1970年に第3回日本プラスチック見本市で展示・発表を行い、外販を始め、当事業部の業務が開始されました。
以後、お客様の要望にお応えすべく技術習得・開発を進め、取り出し後の組立装置や検査装置等の高度な技術を要する後工程機の設計・製造も行っております。
“技術のセーラー”として、機械設計・制御技術は基より、筆記具製造における化学・金属技術を加え、医療用具、食品容器やCD・MD・DVD等のメディア関連等、多様な業界での生産性・品質の向上に寄与しております。

プラスチックの製品・部品の製造方法に、材料を加熱して溶かし金属製の金型に流し込んだあと、冷やし固める「射出成形法」があります。この「射出成形法」は、一つの型から同じ形の製品を多く作ることが可能なため、プラスチック製品・部品を安く大量に作る方法として広く普及しています。この作業を自動で連続生産する装置が射出成形機、そしてできあがった製品やランナー(材料樹脂の通り道が固まったもので、プラモデルの部品がついたプラスチックの枠のような状態)を自動で取り出すロボットが射出成形自動取出ロボットです。

コストを下げるため、プラスチック製品の成形作業は24時間稼働で行われることが一般的です。昔は、作業員ができあがった製品やランナーを1日3交代で取り出していました。しかし、この作業は単調・退屈な上、うっかり金型に手をはさむと大けがをしてしまいます。そこで、自動取出ロボットが生まれました。

自動取出ロボットは作業員を単調で危険な仕事から解放し、さらに1台で作業員3人分の仕事をこなし製造コスト削減にも貢献するため、現在ではほとんどの成形機に搭載されています。

取出機でできること

  • 製品、ランナーの自動取り出し
    製品にもよりますが、作業者1人で成形機5台〜20台を受け持つことが可能になります。
    組み立てや加工
    製品が成形直後でまだ温かいうちに、一部を曲げてくせをつけたり、2個の部品を組み合わせてはめ合いの微妙な調節をしたり、成形機だけでは難しいいろいろな工夫が可能です。
  • 製品パレタイジング
    取り出した製品の方向を揃えて並べ、箱の中にきちんと詰めることが可能です。
    製品のパレタイジングを行うと、保管・運搬や後工程がさらに楽になります。
    インサート成型
    ラベルや金具、補強部品等の供給装置を付けると、インサート成形ができます。
  • ゲートカット
    特別なカッターを付け、製品とランナーを切断します。
    自動化ライン
    成形機→取出ロボット→組み立て装置(→包装装置)までの自動ラインを作ることで、人の手が製品に触れなくなるため、ごみや雑菌が減り、衛生に気をつかう医療機器や食品容器・ごみを嫌う精密機器等の製造に役立ちます。

タイプ別取出機紹介

トラバースタイプ

トラバースタイプ

取り出し部(チャック)を水平(引抜)方向、横走行方向、上下方向(縦・横・高さ)の3方向に移動させ、製品やランナーを取り出すロボットです。
チャックをどの位置に移動させても姿勢が変わらないことが利点です。チャックの動作と位置移動を別々に考えられるため、精密で多彩な動作をさせやすいという特長があります。
チャックが1つで3方向に動かせるタイプ3軸(シングルアームタイプ)、2つのチャックを持ち製品とランナーを別々に取り出せる5軸(ダブルアームタイプ:横走行は共通)のタイプがあります。

首振りタイプ

首振りタイプ

上下軸、水平(引抜)軸に加え、旋回軸を持った取出ロボットで、品物を垂直に引き上げた後、向きを変えて斜め下に品物を置きに行く動作をします。上のトラバースタイプと違い横走行軸が無い分、小型・軽量化が可能で価格も安めにしやすい特長があります。主にランナー用取出ロボットとして使用されます。

その他のタイプ

その他のタイプ

「旋回タイプ」「サイドエントリータイプ」は、いずれも金型の側面方向から品物を取り出すタイプの取出ロボットです。
旋回タイプはアームが回転して製品を取りにいく水平(引抜)・旋回の2軸ロボット、サイドエントリータイプは金型の横に設置して製品を取り出す水平(引抜)・横移動の2軸取出ロボットです。ともに、動作や使用できる金型に汎用性は少ないですが、超高速で精密な動作が特長です。

用語集

アンダーカット外し
アンダーカットがあり真っ直ぐに引き抜きできない金型から製品を取り出すために、金型内でチャックにアンダーカットが外れるような動作をさせる機能です。
生産管理モード
生産数量管理、製品サンプリング等を自動で行う機能です。
生産数量をカウントして生産完了停止/継続の設定ができる機能、サンプリング間隔・回数、サンプリング品取出位置の設定ができる機能、成形初期の不安定品を排出してしまう初期排出回数の設定や連続でNG品が発生した場合に生産を停止させる連続NG排出回数設定機能等もあります。
走行端カット
金型から取り出したランナー付きの製品を走行端(横走行軸の金型と反対側の端)に置いてゲートカットする機能です。特製のカッターを取り付け、サーボ動作によって切除します。ゲート方向によって3軸どの方向でも切除可能です。
曲線動作
チャックが方向変換するときの動きを直角ではなく曲線動作にする機能です。タクト短縮につながります。
制振制御
サーボ機の特長を最大限に生かした先端技術が「制振制御」です。
「制振制御」とは、モーターの動きを制御することで、高速で移動するチャックを静止させる時に発生する「ブレ」を抑える技術です。「ブレ」が収まるまでの待ち時間を短縮しタクトアップに貢献します。
多機能パレタイジング
金型から取り出した製品をベルトコンベアーやパレットに整列させ並べる機能です。製品と製品の間に製品を置き、密集配置させ、積み重ねて置く機能の他に、製品を横へ押して密集させ、方向を変えて置くこともできます。
サーボパワーオフ
待機中の上下軸サーボモーターが自動的に電源オフになる機能です。上下軸には常に重力がかかっているため、電源ONのままでは静止状態でも電力を消費しています。
セーブ運転
製品投入後、金型上へ戻るまでの動きを成形タクトに合わせて自動的に減速し、省エネ運転する機能です。
テレスコ仕様
天井の低い工場で使用する場合、上下アームが天井に当たらないよう上下アームを多段式にした仕様です。上下アームが分割され、上昇時には縮み下降時には伸びるような動作になります。
取出自動設定
成形品取出時のタイマー設定調整を自動で行う機能です(製品側のみ取り出し、吸盤製品チャック使用時のみ使用可能)。

生産工場である製品が完成して出荷されるまでには、部品の製造(成形)・組立て・検査・箱詰め等、いくつもの工程があります。この工程の一部または全てを、人間の手に代わり自動的に行うシステムが自動化装置です。製品の安定化、クリーン化、省人化によるコスト削減等のメリットがあります。
セーラーの自動化装置はお客様とご相談の上で設計を行う専用機を基本としており、汎用機やその組み合わせの装置に比べスピードや安定性、耐久性等の点でご好評を頂いてます。

自動化装置でできること

  • インサートワーク供給
    金型内にインサートするラベルやナット等をインサート装置に供給します。
    箱のストック
    製品を自動的に箱詰めする場合、自動的に空箱を供給し、中身の入った箱をストックします。箱の出し入れの回数が減るため、長時間の無人運転が可能になります。
  • 部品組み立て
    いくつかのパーツからなる製品の場合、その組立を自動で行います。複数の射出成形品から取り出した部品をすぐに組み立てることも可能です。
    その他の特殊作業
    製品にレーザーでマークを焼き付け、シールを貼る作業や、袋をシールする作業も可能です。
  • 製品/半製品検査
    画像検査、圧力検査等、必要な検査を自動的に行います。検査でNGになった不良品を自動的に排出する機構と合わせて用いることが多いです。
    半自動化
    作業者と協働作業が必要な場合に、安全に作業ができるように設計します。ロット数が少なく、それぞれに専用機を製作できない場合等に使用します。

自動化装置のタイプ

トラバースタイプ

成形前工程

プラスチック射出成形の前工程で弊社の射出成形品取出機と組み合わせ、インモールドラベルやナット等のインサートワークを金型にセットします。

首振りタイプ

成形後工程

成形機から取出機にて取出した後、組立や検査、箱詰め等を行います。

その他のタイプ

独立した装置

成形とは別の場所で、部品の組立て、検査、梱包等を行います。プラスチック部品の他、スプリング挿入、グリス塗付等の様々な行程が入る場合があります。

用語集

NG排出
検査で不合格になったワークを良品とは別の場所に排出します。
PLC
Programmable Logic Controllerはシーケンサとも呼ばれ、自動化装置でよく使用される制御装置です。プログラムの検証がしやすく安全性が高いことが特徴です。
画像検査
高解解像度カメラで製品を撮影し、製品に混入した不純物や成形不良等を検出します。
ボールフィーダ
組み立てる部品や部材を入れたボールを振動させることにより、向きを揃え組立機に供給する装置です。ホッパー、リニアフィーダ等と組み合わせ使用される場合もあります。
光電センサ
自動機では、決められた場所に製品や装置のアーム等が位置しているかを検出する方法として、光ファイバーを用いた光電センサが用いられることが多いです。センサに入る光を遮ることによって検出します。
ボールねじ
モーターの回転運動を直線運動に変える機構です。